国内の景気低迷が続き給与が伸び悩む一方、増税で負担は増えるばかり。公的年金制度への不安なども重なり、将来への不安が増している現在の日本。老後に備えて、生活のリスクを回避するため、不動産投資をはじめる働く女性が増えています。この記事では、なぜ働く女性が不動産投資をはじめているのか。その理由とメリットをご紹介します。
1. 不動産投資を始める女性が増えているワケ
将来に備える手段として注目
みなさんの周りでも、結婚後も共働きを続ける家庭が一般的ではないでしょうか。実際に、女性の就業率はこの20年ほどで緩やかに上昇を続けています。内閣府が公開している「男女共同参画白書 令和2年版」によると、2019年で25歳〜44歳女性の77.7%が、15〜64歳女性の70.9%が何らかの仕事をしています。
しかし男女で比較をしてみると、15歳~64歳男性の就業率が84.2%とやはり男性のほうが高い水準です。この20年ほどで女性の就業率は10ポイント以上も増加しているとはいえ、まだまだ男女格差があるように感じられます。
また、依然として女性のほうが非正規雇用の割合が高く、収入も低いという現実があります。「経済的に自立したい」と考える働く女性は多いと思いますが、副業ははじめるのも続けるのも大変です。不労所得かつ少ない手元資金でスタートできて、安定感のある不動産投資は、今後の生活を支える心強いパートナーになってくれるはずです。
2. 不動産投資が働く女性に向いている理由
2-1.ライフイベント(結婚・出産など)が発生しても対応しやすいから
普段から手間がかからない
女性の場合、男性と違ってライフイベントの影響を大きく受けてしまいます。妊娠・出産による育児休暇や、場合によっては退職するということもあるかもしれません。その後も育児と仕事を両立していかなければなりませんし、自分の時間を持つことが難しくなってしまいます。
副業も結局は仕事なので続けることが難しくなるかもしれません。株式投資も日々の値動きをチェックする必要があるので、自由な時間が少ないと続けにくいものです。それに比べて不動産投資は、管理会社などを活用すれば、手間をかけずに安定した収入を得ることができます。
2-2.管理会社との付き合いが上手な傾向にあるから
いい物件はいい関係から
管理会社は、所有者に代わって家賃の回収、水漏れや給湯器の故障、住民同士のクレーム対応など物件に関するあらゆるトラブルに対応してくれます。管理会社に任せるというのは、このようなトラブルに迅速かつ適切に対処してもらえるメリットがあります。
適切に管理してもらうためには、日ごろから定期的な打ち合わせ行い、情報共有することが大切です。いい関係性を築くためにも、細かい心遣いや連絡が欠かせません。このあたりは男性よりも女性のほうが適性のある方が多いので、女性のほうが管理会社といい関係を築ける傾向にあるといえます。
2-3.リスク&リターンが比較的安定しているから
安定的な副収入に最適
投資には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」という2つの収益方法があります。キャピタルゲインは一般的な投資のイメージで「安く買って高く売った差額」で利益を得ますが、リスクが高すぎて初心者にはおすすめできません。
一方、インカムゲインとは株式の配当金や、不動産を運用することで得られる家賃収入のことを指します。不動産投資はこのインカムゲインを得るのに適した方法です。物件を所有して入居者がいる限り毎月収入が入ってくるので、空室リスクや家賃下落リスクを考えても、ほどよいリスク&リターンのバランスだといえます。
2-4. 万が一の時(病気など)に備えられるから
経済的リスクを回避できる
金融機関の不動産投資ローンを利用すれば、手元資金が少なくても物件を購入できます。多くの場合、この不動産投資ローンの契約時に団体信用生命保険への加入を義務づけられています。返済中に死亡した場合、返済義務が免除されますし、金融機関によっては3大疾病特約を用意している商品もあるので、これを付ければガンや糖尿病になったときのリスクも回避できます。
日本人の死因第一位であるガンに備えることもできますし、将来的には年金の不足を補うこともできて、女性ならではの「長生きリスク」にも備えられるのも不動産投資ならではのメリットです。
3. 働く女性が不動産投資に失敗しないように覚えておきたいこと
3-1.他人任せにせずきちんと勉強してから開始する
高額商品を買うという自覚を
不動産投資に失敗しないためには管理会社などのプロに頼るのも大切なことですが、任せすぎも禁物。ある程度の知識は必須なので、勉強方法がわからないときは不動産会社主催のセミナーに参加するといいでしょう。
3-2.家賃は下がるものだと認識しておく
リスクは想定しておくべきもの
不動産は株式投資やFXと違い、手元に物件というカタチで残る資産です。一方で、カタチとして存在するということは、建物はどうしても経年劣化していくということです。
もし、周辺に新築の競合物件が増えてきたら物件のキレイさや築年数で比較すると勝てませんし、室内の設備や部屋の設計にも劣る点が出てきます。そうなってくると、入居者を確保し続けるためにも「家賃を下げて差をつける」という選択肢は想定しておくべきでしょう。
3-3. 内装費用・税金などにかかるお金を事前に調べる
見落としがちなので要チェック
経費がいくら必要で、どれくらい収益が得られるのか。事前のシミュレーションはとても大切です。しかし、そのときに見落としがちなのが内装費用です。とはいえ、内装でどの程度の修繕や交換が必要かはそのとき次第でもあります。あらかじめ多めに見積もるべきでしょう。
また、税金も計算が難しく、実際の収益によって変動するのでイメージしにくい部分です。なるべく節税して手元にキャッシュを残すためにも、税理士に相談するといいでしょう。
4.【併せて知りたい!】不動産投資の流れ・ステップ
4-1.資金・投資計画を立てる
よくばらず無理のない範囲で
投資用とはいえ不動産を買うのは、一軒家や分譲マンションを買うのと同じ高価な買い物です。自分で用意できる資金がいくらで、どのような条件の物件が欲しいのか、そしてローンを組むとしたら毎月いくら返済して、何年で完済するのか。まずは資金・投資計画を立てていきましょう。
4-2.不動産会社や物件を選択する
自分の住みやすさを基準にしよう
不動産会社選びと物件探しはセットです。実績は豊富か、担当者との相性はどうか。資産運用のパートナーとしてお付き合いをしていくので、少しでも違和感があれば避けるようにしましょう。
物件選びは「女性の目線」を活かせるポイント。「自分が安心・快適に住めるか」という点を重視して探していきましょう。セキュリティ対策、夜道の安心感など男性が見落としがちなところに気づけるのはメリットです。さらに、今後の人口変化や災害リスク、再開発や鉄道路線の計画も確認しながら10年単位で需要がなくならないエリアから選ぶことが重要です。
4-3.管理会社を選択する
自由な時間を作るなら必須
「不動産投資で不労所得を手に入れよう」といいますが、そのためには管理業務を管理会社に任せるのが前提になります。一般的には家賃の5~10%を管理委託料として支払いますが、家賃滞納や隣人トラブルなどの処理もお任せできるので、コストパフォーマンスが高いと感じられるはずです。
物件選びが終わり、ローンを組んで購入したとしても、維持管理をすべて自分でやろうとすると、精神的にも肉体的にも大変な重労働です。特に隣人トラブルやクレーム処理は女性にとって不安に感じると思いますので、やはり管理会社にお任せするのがおすすめです。
4-4. オーナーとして物件を運用・管理する
適切に収益を得るためにも
すべての準備が終わったら、いよいよ物件を運用していきます。不動産投資が成功するか失敗するか、すべては「入居者がいるかいないか」に左右されます。特に購入時点で入居者のいない物件であれば、不動産会社に依頼して、早いうちに入居者が決まるように募集をしましょう。
毎月決まった収益を得られるのが不動産投資のメリットですが、それも入居者の存在があってこそ。もし、入居者が退去して空室が続くようなときは、募集だけでなく物件のリフォームや家賃の変更も検討すべきです。オーナーとして空室リスクを減らす適切な運用を心がけましょう。
まとめ
多くの働く女性にとって人生のテーマである「経済的自立」を実現するためにも、不動産投資はメリットの大きな選択肢です。
ですが、知識もないのにいきなり不動産投資をはじめるのは大変です。まずはセミナーなどに参加をして情報やノウハウを手に入れる。次に、頼りになる不動産会社というパートナーを探す。といったように一歩ずつ、着実に準備していきましょう。