不動産投資において最大の魅力は他人の資本を利用できるという点です。
金融機関から資金を借りて、物件を所有する事で自己資本を使わずに他人資本で資産を形成していくことができます。
仕組みはわかるが、メリットがわからず始めれていない方もいるのではないでしょうか。
今回は不動産投資における他人資本の魅力についてまとめます。
1. 他人資本とは
一般的に他人資本とは『企業が調達した資本のうち、銀行からの借入金や社債など株主以外から調達した資本』と定義されています。
不動産投資で他人資本を利用することは、金融機関から購入資金を調達することと同義です。
投資用不動産を購入する場合、多くの方は金融機関から融資を受けて購入します。
不動産は現物資産として、物件を担保にすることで融資を受けるため、金銭で返済できないリスクを回避することができるでしょう。
自己資金を手元に残しながら、他人資本を使い不動産を所有できることは不動産投資の最大のメリットといえます。
2. レバレッジ効果を発揮
他人資本のメリットは自己資金を使わないだけではありません。
レバレッジ効果が発揮できることも魅力です。
融資を受けない場合と受ける場合に分けて、レバレッジ効果を比較してみましょう。
例えば、自己資金が1000万円あるとして、1部屋1000万円の区分所有マンションを購入するとします。
①融資を使わない場合:自己資金の1000万円で1部屋を一括購入
②融資を受ける場合:1部屋あたりの自己資金を200万円は出資して、5部屋購入します。
①の場合:金融資産は1000万円、②の場合:金融資産は5000万円となります。
融資を受けるだけで、5倍もの資産を作れます。
また、不動産投資物件は年間で数%の利回りで運用していくこととなります。
仮に5%の利回りで運用していくとすると、
①の場合:年間で50万円の利益を得られますが、②の場合:年間で250万円の利益が得られ、①に比べると年間で200万も差が生まれます。
この金額を見れば、他人資本で生まれるレバレッジ効果の凄さがわかるでしょう。
さらに、不動産投資の毎月返済は入居者からの家賃収入で賄うことができます。
返済と収入の収支をプラスで安定して運用することができれば、自己資金をかけずにレバレッジ効果を受けて、利益を生むことが可能です。
3. FXとの違い
レバレッジ効果というと『FX(外国為替証拠金取引)』をイメージされる方が多いと思いますが、FXはリスクが高く、利益の上下が激しいのも特徴です。
不動産投資もリスクはありますが、FXと大きく異なる点をいくつか紹介します。
3-1. レバレッジ率
FXでは、金融庁によりレバレッジ率の上限値が定められており、最大25倍とされています。将来的に10倍に引き下げられる可能性もありますが、現状非常に高いレバレッジ率を維持しています。
一方で、不動産投資においてレバレッジ効果には上限がありません。
例えば、2000万円の物件を融資を受け、自己資金50万円だけ出資して購入した場合、40倍のレバレッジ効果があるでしょう。
レバレッジ率だけを比較すれば、不動産投資の方がレバレッジ効果が高いことがわかります。
自己資金ローンなどを利用すれば、レバレッジ効果をさらに上げることが可能です。
3-2. 強制決済、ロスカット制度
FXについて詳しくない方でも『強制決済』や『ロスカット』は聞いたことがある方もいるでしょう。
強制決済は、証拠金を法令で定められている水準に保つための仕組みです。
証拠金が不足すると追加証拠金を入金するか、ポジション決済を行い証拠金の入金が必要ない状態にしなければなりません。
また、ロスカットは証拠金が定められた水準よりも下回った場合に強制的に取引停止になる仕組みです。状況を確認できない場合、損失の拡大を防ぐ目的で存在する機能となります。
不動産投資では、『強制決済』や『ロスカット』といった仕組みはありません。
物件価格や家賃相場は、FXの相場のように大きく変動することがないため、そのような仕組みは必要ないうえに、変動相場を一日中見守る必要がないため、相場変動に悩まされることなく始められることも不動産投資の魅力でしょう。
3-3. リスクの度合い
FXと不動産投資の大きな違いはリスクの度合いです。
FXでは短期売買による差益や、スワップポイントと呼ばれる通貨間の金利差額からの利益を得るため、何十年も同じ銘柄を所有し続けることはありません。
激しい値動きのなかで利益を得るため、損をするリスクが高く、ギャンブル要素が強いものでしょう。
一方で、不動産投資では物件価格の相場が急激に変動することがないため、基本的には短期間の売買には適していません。中長期的に保有しておくことで、家賃収入を安定して得ることができます。
また、家賃相場も短期間に上下することがほとんどないため、低リスクの投資といえるでしょう。
4. 他人資本は良好な借金
不動産投資での他人資本とは、金融機関からの融資を指します。
投資用の住宅ローンを組むことになるため、『借金』のイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、『レバレッジ効果』を大きく受けることができる投資用の住宅ローンは『悪い借金』ではありません。
融資を受けることで実際に持っている現金よりも、何倍もの資産を築くことが可能です。
また、不動産投資の他人資本の金利は低く、銀行のカードローンでは年間金利10%を超えるものが多い中、投資用の住宅ローンの金利は1%前後となっています。
不動産の資産運用では、元本が大きいほど多くの資金を築けるでしょう。
投資用の住宅ローンは金融機関からの『借金』でありながらも、その後の運用利益を考えると初期投資の意味合いでも『良い借金』といえます。
『借金』でも金利を抑えて上手く使うことができれば、多くの資産を築いていけるでしょう。
5. 他人資本から自己資本へ
不動産投資の魅力の一つに他人資本として所有した物件を、自己資本として所有することができるようになることがあげられます。
不動産投資における他人資本は、投資用の住宅ローンであるため、不動産を金融機関の資本で所有している形です。
投資用の住宅ローンの期間は15年~35年、長いものであれば45年のものがあり、住宅ローンを支払っている期間は『他人資本』ですが、住宅ローンが終われば資本は『自己資本』となるでしょう。
そのため、年月を経ると毎月の返済のなく、家賃収入だけを受け取れる不動産を所有することができます。
少ない初期負担で、将来的に自己資本として不動産を所有できることがメリットといえるでしょう。
6. まとめ
今回は不動産投資における他人資本についてまとめました。
不動産投資では金融機関からの融資をうまく使うことで、自己資金をなるべくかけずに資本を築き上げることができます。
住宅ローンの支払いが終われば他人資本は自己資本となり、家賃収入を安定して受け取ることができるようになるでしょう。
FXとの違いも紹介しているので、投資に悩んでいる方は参考にしてください。