不動産投資を検討している方の中には『レバレッジ』や『インカムゲイン』といった聞き慣れない言葉を目にし、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産投資における用語や概要、おすすめの不動産投資や始め方について解説します。
不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
1. レバレッジとは
レバレッジとは『てこの原理』を指し、小さな力で大きな力を発揮することを意味します。
投資の世界におけるレバレッジとは、自己資本ではなく他人資本を利用することです。
例えば、3,000万円の不動産を、自己資金500万円の人が2,500万円のローンを組んで購入する場合、5倍のレバレッジをかけると表現されます。
ここからは、レバレッジのメリットやリスクについて紹介していきます。
1-1. レバレッジのメリット
レバレッジをかけることで自己資金以上の取引ができ、同じ利回りでも収益を大きくできるため、投資効率が上がります。
例えば、1,000万円の資金を年利3%で運用する場合、年間の利益は30万円。
しかし、レバレッジ効果を利用して、1,000万円を元手に5,000万円の融資を受け、計6,000万円を3%で運用すれば、年間の利益は180万円です。
また、レバレッジ効果を活用することで機会損失を避けられることもメリットです。
融資を受けない場合、購入したい不動産があったとしても、手元に資金がなければ購入できません。レバレッジ効果に期待し、住宅ローンを組むことで、欲しい物件が見つかったタイミングで購入できるでしょう。
1-2. レバレッジのリスク
レバレッジをかけることで、自己資金以上の取引ができる分、損失が発生した際の返済額も、自身が支払える能力を上回る危険性があります。
マンションを購入した場合、家賃収入がある間は問題ありませんが、空室が出た場合、自己資金からローンを返済しなければならず、支払いに困窮してしまうこともあるでしょう。
また、レバレッジには金利変動リスクがあります。
不動産投資ローンを組む際に、変動金利を選択すると金利が上昇することで返済額も増えてしまいます。家賃収入がある場合、家賃の値上げなどで対応できますが、空室の際に返済額が増えてしまうと対処できません。
変動金利には、金利が上昇しても5年間は支払い額が変わらない『5年ルール』も存在しますが、余裕を持った返済計画を立てましょう。
2. 不動産投資における2つの収益
不動産投資には2つの収益モデルがあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで投資をしましょう。
2-1. インカムゲインとは
インカムゲインとは『資産を保有することで得られる収益』を指します。
- 預金の利息
- 株の配当金
- 不動産の家賃収入
上記であげたものがインカムゲインと呼ばれる収益です。いずれも資産をもつことで継続的に収益が得られます。
2-1-1. インカムゲインのメリット
不動産を人に貸し、家賃収入を得ることで安定した収入源となります。
また、「毎月」収入が得られることも不動産投資のメリットでしょう。
株の配当金などで、インカムゲインを得られる投資もありますが、毎月安定した収入を得られる投資は少ないです。
さらに、手間がかからないことも不動産投資のメリットです。借主とのやりとりや賃料の回収など管理会社に委託することで、手間が省けます。管理委託契約を結び、賃料の数%を管理委託料として支払うことで、手間をかけずに収入が得られるでしょう。
【インカムゲインのメリット】
- 安定した収入を得られる
- 毎月収入を得られる
- 手間がかからない
2-1-2. インカムゲインのデメリット
安定した収入が見込める不動産投資ですが、借主が退去し、空室が出てしまうと賃料は入ってきません。次の借主が決まるまでの間は、自己資金からローンを返済しなければならず、負担も大きいことがデメリットとしてあげられます。
また、建物の老朽化により修繕費用がかかることも不動産投資のデメリットです。株の配当金などでは保有していることに対して追加で支払う費用はありませんが、不動産投資では定期的なメンテナンス費用など、追加費用がかかることを認識しておきましょう。
【インカムゲインのデメリット】
- 空室リスクがある
- 修繕費用がかかる
2-2. キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは『売買差益』を指します。
- 株
- FX
- 仮想通貨
上記であげたものを指し、安い時に購入し値上がりしたタイミングで売却することで、その分の値幅が利益となります。
2-3. キャピタルゲインのメリット
不動産は元々の金額が高額なため、うまく値上がりする物件を選べれば一度にまとまった収益が得られます。何百万円〜何千万円という収益を一度の取引で得られることも不動産投資のメリットでしょう。
2-4. キャピタルゲインのデメリット
大きな収益を得られる可能性がある一方で、値下がりして大損するリスクがあります。
ハイリスク・ハイリターンの投資手法といえるでしょう。
また、キャピタルゲインにおいては税金が高いデメリットがあります。
国としても不動産の短期売買を抑制するために、所有期間に応じて税率を変えています。
- 所有期間5年以下の場合:39.63%
- 所有期間5年超えの場合:20.315%
利益に対して上記の税率がかけられます。特に5年以下の短期売買では高額な税金を支払わなければなりません。
価値のある物件は、不動産業者や投資家などのプロが常に狙っているため、情報が表に出てこないこともあります。知識がなく、利益を生み出す物件を購入することは難しいでしょう。
3. おすすめの不動産投資
どのような手法で不動産投資を始めればいいかわからない方も多いでしょう。
ここからは初心者の方におすすめの不動産投資について解説します。
3-1. レバレッジとインカムゲイン
不動産投資初心者の方は、レバレッジをかけたうえで、インカムゲインの収益を重視しましょう。
不動産は高額であるため、ローンを利用しなければ物件を購入できません。
少額で購入できるものもありますが、危険性が高いため、初心者が手を付けることは避けましょう。
ローンを組む際は限度額で組むのではなく、空室になった際でも自己資金からローン返済できる範囲内で、余裕を持ってローンを組みことをおすすめします。
また、キャピタルゲインでの収益は不動産投資初心者におすすめしません。
物件の目利きや情報、資金が必要な投資手法であるため、初心者にとってはリスクが高いです。家賃収入といったインカムゲインでの収益をメインに考えましょう。
3-2. 物件選び
不動産投資初心者は区分マンションの投資がおすすめです。
区分マンション投資は一棟のアパートやマンションよりも少額から始められることに加え、1部屋しか所有していないため、管理する手間がかかりません。
戸建ての投資も選択肢のひとつですが、戸建てはマンションよりも修繕費用が高い傾向にあります。修繕が必要な物件を購入してしまうと、購入当初から多額の費用がかかってしまうこともあるため、注意が必要です。
4. 不動産投資を始めるには
不動産投資を始める前にやるべきこと3つを解説します。
4-1. 投資の目的を考える
不動産投資を始めるにあたり、まずは投資の目的を考えましょう。
投資を行う目的が明確でなければ取るべき行動がわからなくなってしまいます。
- キャッシュフローの改善
- 年金対策
- 相続対策
上記のように、自分が何を目的として不動産投資を始めようとしているのかを考えることで、物件探しもスムーズに進められるでしょう。
4-2. リスク許容度を考える
リスク許容度とは、投資を行う中でどれくらい負債が出ても耐えられるかという度合いで、人によって異なります。
- 年齢
- 家族構成
- 年収
上記であげた項目を中心に、どこまでの負債を抱えたら投資を打ち切るのかを事前に考えましょう。
4-3. 不動産会社へ相談する
不動産投資はプロに相談することも重要です。
不動産投資は知識が必要であるため、一人で考えるには限界があります。
信頼できるパートナーを見つけ、二人三脚で不動産投資について考えましょう。
また、投資の目的やリスク許容度についても、プロと相談する中で新しい発見もあるでしょう。
5. まとめ
今回は不動産投資で知っておきたい用語や概要、おすすめの不動産投資について解説しました。
投資手法や物件選びはもちろんのこと、投資の目的やリスク許容度を一人で考えることは難しいでしょう。自分1人では何から始めればいいかわからないという方は、信頼できる不動産会社を見つけ、相談しながら進めていきましょう。