「老後2000万円問題」が話題になったように、個人での資産形成が重視されるようになった近年。昔のように会社員として明るいキャリアと未来を描くことが難しくなってきたいま、株や不動産で不労所得を得ることに注目が集まっています。この記事では、不労所得に興味がある方にそのメリット・デメリットやリスクをわかりやすくご紹介していきます。

 

1. 不労所得とは

楽して稼げるわけではない

不労所得とは文字どおり「労働をせずに得られる所得」です。株式投資や不動産投資、FXなどをイメージする方が多いと思います。意外かもしれませんが、自動販売機の設置やポイ活だってその手段。私たちが思っている以上に不労所得を得る方法は多いのです。

不労所得は、労働をしなくていいといっても数ある選択肢から「稼げる方法」を見つけることが必要です。そのためには、誰よりも情報を集め、戦略を立てていく知見が求められます。

 

2. 不労所得の種類・おすすめポイント

2-1. 不動産投資

安定した収入にできる可能性が高い

土地やマンションを購入して、第三者に貸し出したり、売却したりすることで利益を得る方法です。ただし、売却益を得る方法はリスクが高いのでおすすめできません。マンションやアパートを購入して、賃貸住宅として運用するのが一般的な方法です。

初期費用のハードルは高いですが、銀行でローンを組むこともできますし、入居者がいる限り安定した収入が期待できます。さらに不動産自体の価値が上がった場合は、売却することで利益を得られる可能性もあります。

 

2-2. REIT

少額からできる不動産投資

REIT(リート)とは小口ではじめられる不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金で信託会社が不動産を購入して運用する方法で、投資信託の不動産版とイメージするといいでしょう。

REITと不動産投資の違いは、その運用範囲。REITなら、ホテルや商業施設、オフィスビル、倉庫など幅広い不動産が対象になります。投資先を分散できるメリットがあるほか、配当利回りも3~5%といわれており、株式投資より大きなリターンが期待できる方法です。

 

2-3. 株式投資

誰もがイメージする不労所得といえば

あらゆる不労所得を得る方法でも、一番人気がありチャレンジしている人の多い投資方法ではないでしょうか。株式投資で利益を得る方法は、株の値動きをシミュレーションして、値段が上がったところで売り抜ける「デイトレード」がイメージされますが、株を保有して配当金を得るのも方法の一つです。

また、配当金とは別に株主優待券などの特典を用意している企業もあるので、そういった企業の株を保有することで、お金とは違う利益を得られることもあります。

 

2-4. 投資信託

プロに運用をお任せできる

投資家から集めた資金を信託会社が株式や債券に投資。得られた利益を分配するという方法です。株式投資は、企業の選び方や投資のタイミングが重要ですが、その見極めは難しいものです。この方法なら、運用はプロにお任せできるので初心者でも簡単です。

ただし、信託会社に手数料を支払う必要あるので、利益が少ないと手数料のほうが高いということになりかねません。また、あくまで元本保証がないので、損失が出るリスクも理解しておかなければなりません。

 

2-5. 広告収入(ブログ・YouTubeなど)

スマホ・パソコンでチャレンジできる

ブログやホームページ、YouTubeに記事や動画をアップすることで広告収入を得る方法です。記事内や動画内に出てくる広告がクリックされるごとに報酬が発生する仕組みで、ブログやホームページなら、動画編集のような特別なスキルがなくてもはじめられるのが魅力です。

デメリットは、すでにネットやYouTubeには大量のコンテンツが溢れていること。そのなかで注目されるには、コンテンツの独自性やニッチさで勝負していく必要があります。

 

2-6. ポイント投資

買い物で貯まったポイントを有効活用

普段の買い物や、クレジットカードの支払いで貯まるポイント。そのポイントを投資に使って不労所得を得る方法です。ポイントを現金にして株や投資信託に使う方法と、ポイントのまま運用してポイントを増やしていく方法の2種類があります。

自分で用意した資金ではなく、勝手に貯まったポイントで運用できるので気軽さは一番。損失が出てしまったときも比較的ダメージが少なくて済みます。株式投資や投資信託の前にお試し程度ではじめるには最適な方法です。

 

3. 不労所得を得るメリット

3-1. 金銭的な悩みが少なくなる

副収入で安定した生活を

「あと少し、いまよりも収入が多ければ……」そう思う方も多いのではないでしょうか。現在の仕事を続けながら副収入としての不労所得が得られるようになれば、楽に収入アップが叶います。毎日の昼食代を節約するためにお弁当を作ったり、欲しい服やアクセサリーを我慢したり節約は大変ですが、不労所得があればその分、贅沢をすることができるようになるかもしれません。

また今後、健康保険や年金の制度改革でさらなる増税や保険料アップがあれば、せっかくの収入が目減りしてしまう可能性も。そのような未来に備えて、不労所得という「お金の入り口」を作っておくのは安心です。

 

3-2. 自由な時間が増える

新しい人生にチャレンジしよう

会社員として人生を送る場合、約40年間は勤労に費やされます。不労所得の割合を増やして、仕事の時間を減らせばどうでしょう?あこがれの旅行や趣味、新しいビジネス。色々なことにチャレンジできる時間が生まれます。

自由な時間が増えることで、株式投資で不労所得を得ながらYouTubeやブログで広告収入を増やしたり、不動産投資をはじめてみたり。不労所得の手段を増やして育てていくことも可能になります。

不労所得によって勤労という「時間を提供してお金を稼ぐ」という仕組みから解放されるため、やりたいこと、収入を増やすことに集中できるようになります。

 

3-3. 収入源の分散でリスクヘッジができる

万が一は起きてしまうもの

会社員で働いて得られる勤労所得。それとは別の不労所得。2つの収入源があれば、人生の中で起きる様々なトラブルやリスクに備えることができます。

会社が突然倒産したり、事業縮小でリストラされてしまったり。あるいは、事故や病気で働けなくなる可能性もゼロではありません。もちろん、そんなときに備えて保険に入るのも大切ですが、最悪の場合はこの先収入がなくなってしまうということも。

不労所得であれば、そのような状況でも最低限の生活を支えてくれるかもしれません。生活の質を上げるだけでなく、もしもの備えとしても不労所得のメリットは大きなものです。

 

4. 初心者が不労所得を始める時の注意点

4-1. 税金がかかる場合がある

税金の種類やルールには要注意

不労所得であっても、一定の収入を越える場合、納税の義務があります。とはいえ、会社員の方は勤務先の会社が確定申告などの手続きをしてくれるので、具体的にイメージしにくいかもしれません。

実際に不労所得を得ると、株式投資・投資信託による配当所得、不動産所得による不動産所得、広告やアフィリエイトによる収入は事業所得と、その内容は細かく分かれています。また、その種類によって課税される割合や、税金の計算方法が違います。面倒に感じるでしょうが、確定申告など必要な手続きはちゃんとしておかないとペナルティを課せられることもあるので気をつけましょう。

 

4-2. 詐欺案件も多く出回っていることを理解する

ブームにのった悪質な詐欺も多い

不労所得や副業など、会社で働く以外の収入を得る手段が注目される近年。ブームといえる状況ですが、それを利用する悪質な詐欺業者もいます。

ネットの広告でも「初心者が3か月で月収100万円!」など、本当にできるの?と思うものを見かけることがあります。もちろん、そのすべてが詐欺とは限りません。とはいえ、情報がどこまで正しいのか、冷静に見極めるのがとても大切です。

「不労所得に興味があるけど、何をしたらいいかわからない」そう思う方は特に、HPやSNSで情報を集めて本当に信頼できるか情報収集しましょう。魅力的な内容でも安易に契約するのは危険です。

 

4-3. 会社規則に副業禁止がないか確認する

法的な拘束力はないけれど

大前提として、労働基準法などの法律で「会社員が副業をしてはならない」と定めた法律はありません。さらに就業規則などの会社規則も法的根拠のあるものではありません。例外なのは公務員で、国家公務員法・地方公務員法で副業禁止が定められています。

とはいえ、社内の秩序維持や情報漏洩などのトラブルを防ぐために設けられているのが会社規則。「副業禁止」と明確に定められている場合、そのルールを守らなかった社員に対する懲戒処分が行われることは避けられないでしょう。

事前に会社規則を確認して、あくまで本業に支障のない不労所得の手段を検討するのがベターです。

 

まとめ

この記事では、そもそも不労所得ってなに?という基本的な部分から、不労所得を得るための手段やメリット・デメリットを紹介してきました。まずは「自分がなぜ不労所得を必要としているのか」その目的や目標の収入など、ある程度の大枠を設計することが大切です。10年後、20年後の未来を豊かにするための手段として、不労所得をうまく活用していきましょう。